【ワクチン(候補)まとめ】新型コロナウイルス感染症の治験
【2020/5/18更新】

医学関連
Arek SochaによるPixabayからの画像

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)のワクチンについてもまとめてみました!

(今後も更新していく予定です)

(また、仮に間違っているところなどありましたら、ご指摘ください)

治療薬の治験状況についてはこちら!

ワクチン治験状況まとめ

開発名開発元分類治験状況場所結果・メモ
mRNA-1273Moderna
(モダーナ社)
mRNA第3相へアメリカ第1相で奏功!
Ad5-nCoVCanSinoアデノ第1・2相中国第1相で奏功!
ChAdOx1オックスフォード
大学
アデノ第1・2相イギリス多くのウイルスで
実績豊富
BNT162BioNTech/ファイザーなどmRNA第1・2相ドイツ
– (未定)Sinovac Biotech不活化第1相中国
Sinopharm
China National Biotec Group
(北京・武漢)
不活化第1相中国
INO-4800INOVIO
(イノビオ社)
DNA第1・2相アメリカ
・韓国
2020年夏に報告予定
NVX-CoV2373Novavax
(ノヴァヴァックス社)
タンパク質前臨床アメリカ
Covid-19/aAPCShenzhen Geno-Immune Medical Instituteレンチ第1相中国
LV-SMENP-DCShenzhen Geno-Immune Medical Instituteレンチ第1相中国
bacTRL-SpikeSymvivo Corporation
コロンビア大学
DNA第1相カナダ経口ワクチン

以下から主だったものを抜粋して紹介しています。

太字のものについては下で解説を加えています!

Draft landscape of COVID 19 candidate vaccines
COVID-19

(私的な観点からの)まとめ

  • モダーナ社のmRNAワクチンCanSino社のアデノウイルスワクチンが第1相で奏功
  • リスクのやや高い不活化ワクチンに注力する中国
  • 現時点では、安全性の検証が治験の主な目的

ワクチンの種類 (メリット、デメリット)
治験の段階
についても解説しています!

mRNA-1273 mRNAワクチン (Moderna社)

Moderna社のmRNAワクチンの第1相試験の結果は、かなり期待が持てそうです!

  • ワクチンを受けた『全員』が抗体を獲得
  • 100ug投与群では、感染者を超えるレベルの抗体を獲得
  • 最も深刻なもので、注射場所の発赤程度
  • 第3相が7月に開始予定
    (第2相は進行中)

第1相試験で被験者の人数が少ないので、副作用についてはなんとも言えない部分がありますが、とても良い結果かと思います。

久しぶりに、新型コロナウイルス関係で良いニュースです!

Moderna Announces Positive Interim Phase 1 Data for its mRNA Vaccine (mRNA-1273) Against Novel Coronavirus | Moderna, Inc.
After two doses all participants evaluated to date across the 25 µg and 100 µg dose cohorts seroconverted with binding antibody levels at or above levels seen i...

Ad5-nCoV アデノウイルスワクチン (CanSino社)

CanSino社のアデノウイルスを用いたワクチンの第1相試験の結果についても、なかなか良さそうです。

アデノ「ウイルス」というと一見怖いように思えますが、安全性は上のmRNAワクチンとほぼ変わりありません。

  • 108人を3グループに分けて、低用量、中容量、高用量を投与
  • 注射部分の痛み、熱、疲労感、頭痛、筋肉痛などの副作用がおおよそ半分程度でみられた
  • 28日間で深刻な副作用は観察されず
  • どのグループでも28日後には90%以上の被験者で抗体を確認
  • T細胞特異的な反応は14日後にピークを迎える

mRNAもこちらのワクチンもどれだけ抗体が続くかが問題ですね。若干副作用が強いのかもしれません。

DEFINE_ME

Sinovac Biotech不活化ワクチン

マウス、ラット、サルにおける有効性・安全性が新たに報告されました!

  • マウス、ラット、サルで6週間以上続く中和抗体ができる
  • サルにて、新型コロナウイルスへの感染を防ぐことができる
  • サルにおいて、有害事象はみられず
Rapid development of an inactivated vaccine candidate for SARS-CoV-2
The coronavirus disease 2019 (COVID-19) pandemic caused by severe acute respiratory syndrome–coronavirus 2 (SARS-CoV-2) has resulted in an unprecedented public ...

ワクチンの種類

  • コロナウイルスを不活化(弱体化)したワクチン
  • コロナウイルスの成分を含む/もしくは成分を体内で作らせるワクチン

この2つに大きく分けられます。

The race for coronavirus vaccines: a graphical guide
Eight ways in which scientists hope to provide immunity to SARS-CoV-2 .

コロナウイルスを不活化(弱体化)したワクチン

上の表で、青くハイライトした2つのワクチンが、このタイプに当てはまります。

このようなワクチンは、弱らせてはいますが感染力をある程度保持した状態の「生きた」コロナウイルスを使います。

メリットとしては、2つの免疫応答を活性化できるため、より強い免疫を生み出せ、持続時間も長いです。

デメリットしては、ある意味「生きているウイルス」を使うために、弱い症状が出てしまったり、仮に変異などによりウイルスが復活してしまうと大変なことになります。

つまり、このタイプのワクチンは、強い効果が期待できるが副作用も強い傾向にある、と言えます。

こちらのタイプのワクチンが2つとも中国手動で開発されていることから、中国はリスクを取りにいっているのかな、と感じています。

2つの免疫応答とは?
一つは、細胞そのものが異物を攻撃する「細胞性免疫」
もう一つは、主に異物を標的とする抗体が関与する「液性免疫」
があります。どちらも免疫応答には重要です。

液性免疫には以下のページで少し解説しています!

コロナウイルスの成分を含む/成分を体内で作らせるワクチン

上記の2つを除いたワクチンについては、手法は違いますが、すべてこのタイプのワクチンです。

このようなワクチンでは、完全に「死んだ」ウイルス、もしくはウイルスのタンパク質を用いています。

メリットとしては、感染による副作用が起きることがまったくないことが挙げられます。

デメリットとしては、2つのうちの1つの免疫応答(液性免疫)のみしか活性化できないので、効果としてはやや劣ります。

つまり、このタイプのワクチンは副作用の心配はより低いが、効果についても弱い可能性がある、ということになります。

治験の種類について

第1相試験: 薬の安全性と化学的な性質の検証。少人数。

第2相試験: 薬の安全性と有効性の検証。比較的少人数

第3相試験: 薬の有効性と安全性の検証。大規模 (数百人程度)。

(第4相試験): 販売後の薬の有効性と安全性の検証。

(数字については、IIIなどのローマ数字のほうが正式ですが、見にくいので算用数字を使っています)

このような3段階の治験を経て、第3層試験で安全性と有効性が検証されると、薬として販売されることが一般的です。

現時点では、第1相、もしくは第1・2相試験が行われているので、基本的には安全性の検証が主な目的となっています。ここで安全性の検証が済むと、有効性の検証を行う第2相、第3相試験に進むことができあます。

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