(失敗がほとんどの)実験をすすめるコツ その1 ~ コントロール編

研究のコツ
カピバラ<br>(見習)
カピバラ
(見習)

実験をうまくすすめるコツって何かありますか?

やぎ
やぎ

まずは、コントロールの重要性について説明しましょう!

実験におけるコントロールは何らかの結論を導き出すために必須ですが、
実験を円滑にすすめるためにもとても役に立ちます。

というのも、生命科学の実験のほとんどは予想しないような失敗や予想外の結果におわることがほとんどであるためです。それ自体はしかたないことですが、失敗の原因を突き止めることができるような実験プランを立てることが重要です。

例えば、今や必須技術の一つである、CRISPR/Cas9を用いて遺伝子Aをノックアウトすることを考えてみます。

とりあえず、細胞にCas9と遺伝子AをターゲットするgRNAを導入してみたら、

=> 失敗パターン1: 遺伝子がノックアウトされないばかりか、細胞が全滅!
=> 失敗パターン2: 遺伝子Aが全くノックアウトされていない。。。

こういうしょうもない失敗はよくありますが、何が悪かったのでしょうか?

#1 コントロール・コントロール・コントロール

超基本からになりますが、

ネガティブコントロール必ず置く
可能な際には、ポジティブコントロールを置く

ということがまずは前提になります。

上記の例では、なにもネガティブコントロールを置いていないので、
何が悪かったのか、その原因を探すことが困難です。

ネガコン:  何も導入しない、ただ細胞を培養する

実験区:   Cas9と遺伝子AをターゲットするgRNAを導入

最低でも、このくらいのネガティブコントロールを置くことが必要です。

「弱い」ネガティブコントロールでも、

失敗パターン1: 遺伝子がノックアウトされないばかりか、細胞が全滅!

という原因が、細胞培養自体のせいなのかどうかを知ることができます。

#2 「強い」ネガティブコントロールを置く

ネガティブコントロールは、実験区と近ければ近いほど望ましいです。
(そのほうが何が失敗の原因なのかを明らかにすることができます)

失敗パターン1: 遺伝子がノックアウトされないばかりか、細胞が全滅!

この失敗の原因としては、

  • 細胞培養がそもそもだめ
  • Cas9/gRNAのトランスフェクションの細胞毒性が強すぎ
  • Cas9プラスミド and/or 発現が細胞に悪影響
  • gRNAプラスミド and/or 発現が細胞に悪影響
  • 遺伝子Aが実は必須遺伝子で、ノックアウト細胞が死んでしまう

がざっと挙げられるかと思います。そのため、

ネガコン#0: 何も導入しないトランスフェクション

ネガコン#1: Cas9のみ導入
ネガコン#2: 遺伝子AをターゲットにするgRNAのみ導入
ネガコン#3: Cas9とターゲットを持たないgRNAを導入

実験区:   Cas9と遺伝子AをターゲットするgRNAを導入

以上のようなネガティブコントロールをおくことにより、失敗の原因を探ることができます。

もちろん、コントロールを無限に増やすことは現実的ではないので、
とりあえずネガティブコントロールとしては#0と#3を置くことを考えます。

#3 可能なら、ポジティブコントロールを置く

失敗パターン2: 遺伝子Aが全くノックアウトされていない。。。

この原因としては、

  • Cas9とgRNAとをつかってノックアウトを行う系(+自分の手技)がだめ
  • 遺伝子AをターゲットにしているgRNAがだめ

がざっと挙げられますが、

実験区:   Cas9と遺伝子AをターゲットするgRNAを導入

ポジコン:  Cas9と効果が確認されているgRNAを導入

このようなポジティブコントロールを置くことにより、
今回使っているgRNAがだめなのか、もしくは系を改良すべきか
どちらなのかを判定することができます。

やぎ
やぎ

コントロールの置き方は経験則が重要ですので、
最初のうちはどんどん先輩や上司に聞くのが一番です!

前半のまとめ

自分が解析したい実験区の他に、
ネガティブコントロールは必ず置く
可能な際には、ポジティブコントロールも置く

不安なら、先輩や上司に聞く

カピバラ(見習)
カピバラ(見習)

その2に続きます!

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